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7月の食品衛生重点チェック項目

対策 チェックポイント
ゴキブリ対策 発生時期に備える(防虫施工および発生状況の確認)
ハエおよび虫の侵入、混入対策 捕虫器の確認と設置、防虫カーテン確認と設置、ドアの開放放置禁止
食中毒への警戒 衛生レベルの引き上げと再確認を実施。ポスターや朝礼で注意喚起
保健所夏期一斉取締 製造許可証、衛生責任者手帳の準備
冷蔵庫、冷凍庫のメンテナンス 冷蔵庫に負荷がかかる時季で気温上昇に伴い故障等が増加

※書面についてのお問い合わせ等ございましたら御社担当までご連絡ください。

2022年(令和4年)全国の食中毒データの分析・傾向・総括

  • 2022年は新型コロナウイルス対策が緩和されつつあることもあって、外食が増加したためか発生件数は前年より増加しましたが、大規模な事例が少なかったことから、患者数は減少しました。厚労省の資料では、発生件数962件(前年717件)、患者数6,856名(前年11,080名)、死者5名(前年2名)でした。食中毒原因の内訳は、細菌性258件(約27%)、ウイルス63件(約7%)、寄生虫577件(60%)、自然毒50件(約5%)、化学物質2件(0.2%)、その他・不明12件(約1%)で、前年と比較すると、細菌性及び寄生虫、自然毒が増加し、ウイルス、化学物質、その他・不明は減少しました。患者数の多い順では、細菌性3,545名(約52%)、ウイルス2,175名(約32%)、寄生虫669名(約10%)で前年とほぼ同様でした。
  • 病因物質別の発生件数の内訳は前年同様で、第1位アニサキス566件(前年344件)、第2位カンピロバクター185件(前年154件)、第3位ノロウイルス63件(前年72件)でしたが、アニサキスの増加が顕著でした。
  • 患者数別では、第1位ノロウイルス2,175名(前年1位4,733名)、第2位ウエルシュ菌1,467名(前年3位1,916名)、第3位カンピロバクター822名(前年4位764名)でした。
  • 患者数200名以上の大規模な事例は4事例で、ウエルシュ菌3事例(神奈川県265名:給食弁当、愛知県267名:弁当、山口県248名:仕出し弁当)、ノロウイルス1事例(大分県309名:飲食店の食事)でした。
  • 死者が出た食中毒は、腸管出血性大腸菌(京都府量販店「レアステーキ、ローストビーフ」1名)、植物性自然毒(宮崎県家庭「グロリオサ」1名、秋田県家庭「イヌサフラン」1名、北海道不明「イヌサフラン」1名)、動物性自然毒(青森県飲食店「マフグ」1名)の計5名でした。
  • ウイルスによる食中毒は、1月、2月、3月、12月に多く発生が見られました。患者数100名以上が6事例(岐阜県139名飲食店、長野県108名仕出し屋、大分県309名飲食店、愛知県100名仕出し屋、山梨県177名仕出し屋、千葉県104名旅館)あり、夏季でも発生が見られるため通年の対策が必要です。
    新型コロナ対策でアルコール消毒が多く行われていますが、ノロウイルスには効果が期待できません(効果が期待できる製品もあります)。塩素水等による消毒と、健康チェックやトイレ使用後、作業前などの石鹸による手洗いの徹底が重要です。
  • 細菌性食中毒は、一般的には気温の高い夏場に多い傾向にあり、2022年は6月~10月に156件(細菌性食中毒258件の内の約60%)ありました。患者数別では、6月~10月で1,892名(約53%)を占め、やはりこの期間は細菌性食中毒に要注意であるとの結果でした。
    このことから、食中毒予防三原則①菌を付けない(手洗い、器具の使い分けを徹底して二次汚染を防止)、②菌を増やさない(温度管理の徹底、調理後は早く食べる)、③菌を殺す(芯温75℃1分以上の加熱、使用器具の塩素剤等による殺菌)を徹底する必要があります。
  • カンピロバクターによる食中毒は、184件(822名)で、発生件数・患者数共に前年(154件、746名)より増加しており、食中毒全体の約19%、細菌性食中毒の約72%で、年間を通じて発生が見られました。原因は、鶏肉の加熱不十分や生食のほか、まな板等調理器具からの二次汚染が多く、約77%が飲食店で発生しています。
  • 寄生虫による食中毒は、アニサキスが566件(前年344件)と多くなっており、食中毒全体の約59%を占めています。
    原因食品は、シメサバ、サバ刺身等のサバが関与した事例が最も多く、他にアジ、イワシ、カツオなど多魚種で発生が見られました。アニサキスは-20℃で24時間以上凍結すれば死滅しますので、シメサバは冷凍魚を使って作るか、製造後に冷凍保管すると良いでしょう。
  • 自然毒による食中毒は50件の発生(前年45件)で、前年と同様でしたが、「イヌサフラン」で2名、「グロリオサ」で1名、「マフグ」で1名の方が亡くなっています。家庭での事故が多く、素人によるフグ料理、ツキヨタケやスイセン等の誤食が目立ちます。
  • 原因施設別では、圧倒的に飲食店が380件(39.5%)と多く、販売店87件(9%)、事業所等給食25件(2.6%)等でしたが、家庭を原因とするものも多く、130件(約13.5%)で死者(2名)出ています。

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