12月の食品衛生重点チェック項目
対策 | チェックポイント |
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クレーム防止対策 | クレームが急増する時期なので、年末に向け衛生レベルの引き上げを実施(異臭クレーム、異物混入対策) |
ノロウイルス対策の維持確認 | 下痢風邪等の自己申告、手洗いの確認、器具類の殺菌状態確認 |
異臭クレーム、異物混入対策 | 年末年始はクレームが急増する為、年末に向け衛生レベルの引き上げと再確認を実施 |
衛生管理の再強化 | 保健所による年末一斉取り締まり(立ち入り検査、収去検査)の準備 (製造許可証、衛生責任者手帳の準備) |
年末年始製造管理の準備 | 年末の製造数、製造予定の確認と計画作成、資材準備、受け入れ態勢の整備 |
※書面についてのお問い合わせ等ございましたら御社担当までご連絡ください。
繁忙期の衛生管理
12月はお歳暮、クリスマス、お正月用品など食品が大量に製造販売される時期です。食品工場やスーパーマーケットなどでは、臨時のパートやアルバイトを雇って対応する施設も多いと思います。また飲食店では忘年会などで忙しくなる時期です。特に大量の注文を受けるとキャパシティオーバーによる事故も起きやすくなります。
今年の9月にあった青森県の弁当による大きな食中毒も、これが原因と考えられます。12月以降はノロウイルスの事故も多くなる時期でもあり、どのような点に注意が必要なのか検証してみましょう。
◆パート、アルバイトなど臨時社員への対応
実際の作業場では、野菜や食肉などの食材に触れた後の手洗いをしない光景や、おせち料理のアルバイトが、作業衣を着たままのトイレを使用していることを見かけることがあります。こうした行為はノロウイルス汚染など大きな事故に繋がる恐れがありますので、採用時の衛生教育(食品衛生の5S:整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を徹底しましょう。
健康管理
出社時に従事者の健康状態をチェック・記録をして、発熱、嘔吐、下痢など該当がある場合は責任者に報告して食品の取扱いを避けるなどの対応をしましょう。
- 発熱、嘔吐、下痢などの有無(従事者の家族の健康も含める)
- 手指の手荒れや切り傷、化膿創などの有無
身だしなみ
毛髪などの異物混入による苦情も多いため、身だしなみチェックは大切です。
- 爪は短く切られ、マニキュア、指輪、時計、ピアス、ネックレス、髪飾りなど装飾品などはないか、またタバコなど不必要なものの持ち込みはないか、毛髪が帽子からはみだしていないか(長髪の場合は束ねる)
- マスクを正しく着用しているか(鼻出しは不可)、作業場専用の履物、清潔な作業衣の着用
- 作業衣を着たままのトイレ使用禁止(トイレ入室手順の作成・徹底)
正しい手洗い方法
トイレの後、調理施設に入る前、下処理作業から次の工程に移る前、盛り付けや配膳作業の前などの手洗いのタイミングや正しい手洗い方法を徹底しましょう。
- 石けんを十分に泡立て(必要に応じてツメブラシの使用)、2回の石けん洗い(指先、指の間、手のシワ、手首は念入りに)流水で洗い流す(水量が少ないと、汚れが残ることがある)
- ペーパータオルで水気を拭う(水気が残っていると、アルコールが効力を発揮しない)
- アルコール噴霧(噴霧器本体やノズルの清潔にも注意)
◆キャパシティオーバー
製造、調理の能力以上の注文を受けることで、無理が生じて事故を起こすことのないよう余裕をもった計画を立てることが大切です。
- 冷蔵庫の容量が少ないので発泡スチロール箱のまま庫外保管 ⇒ 温度管理不良で菌が増殖
- 冷凍品を前夜から常温で解凍 ⇒ 菌が増殖、カジキやサバなど青魚ではヒスタミンが生成
- 加熱後の冷却が不十分で中心部まで温度が下がらない ⇒ ウエルシュ菌の増殖、酵母の増殖
- まな板や包丁の使い分け不徹底 ⇒ 二次汚染
- 弁当の盛付け場所が狭いため客席を使用 ⇒ 客席は調理場ではない
- 手洗いが不十分 ⇒ 黄色ブドウ球菌やノロウイルスなどの二次汚染
- 販売店での冷蔵ケース外販売 ⇒ 温度管理不良で消費(賞味)期限まで日持ちしない
その他に、漂白していたピッチャーと飲料水の入ったピッチャーを取り違え、お客様に提供した事故も起きています。
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