3月の食品衛生重点チェック項目
対策 | チェックポイント |
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ゴキブリ対策 | 発生時期に備える(防虫施工および発生状況の確認) |
ノロウイルス対策の実施確認 | 下痢風邪等の申告、手洗いの確認、器具類の殺菌状態確認 |
ハエおよび虫の侵入、混入対策強化 | 捕虫機、防虫カーテンの確認と設置、ドアの解放放置禁止 |
年度変わりの従業員教育の準備 | 新人社員・転属の従業員の受け入れ準備と手洗い、衛生管理等教育スケジュール作成 |
年度替わりの検査報告書・許可証の期限確認 | 自主検査の提出が必要か、営業許可を受けている施設は許可証の期限を確認 |
※書面についてのお問い合わせ等ございましたら御社担当までご連絡ください。
新入社員への衛生教育について
4月に入ると新入社員が入ってくる施設も多くあると思います。調理師や製菓衛生師の専門学校等を出て、ある程度の衛生知識のある人、全く未経験の人など様々かと存じます。ホテル、食品工場などでは、研修目的ですでに会社に来ている場合もあるかと思います。調理製造される食品は、常に安全・安心で、しかもおいしく食べられるものでなくてはなりません。新入社員のミスにより食品事故などが起きた場合は、上司や会社自体の責任でもあります。今回は新入社員への衛生教育の基本についてお知らせします。
◆各種衛生管理マニュアルの周知
手洗い方法や仕事場に入る方法、トイレ入室手順、仕事の手順などのマニュアルを作成し、仕事に就く前にきちんと教えて理解させておきます。マニュアルは飾っておくだけでなく、現場で実行しなければ意味がありません。
- 1.身だしなみのチェック
- 装飾品(ピアス、指輪、ネックレス、時計、髪飾り、ヘアピンなど)の有無、爪は短く切り(手の平側から見て、爪が出ない程度)、マニキュアなどをしていないか、毛髪が帽子からはみだしたりしていないか、マスクは正しく着用しているか、専用の履物や清潔な作業衣を着用しているか、タバコ、ガムなど不必要なものを持ち込んでいないかなどは衛生の基本ですから周知しておきましょう。
- 2.従事者の健康管理と記録保存
- 発熱、下痢などの症状や手指の荒れや切り傷などがないか作業前にチェック・記録し、該当がある場合は責任者に報告して食品の取扱いを避ける、衛生手袋を着用するなどの対応をしましょう。
- 3.手洗い手順
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平成25年10月に大量調理衛生管理マニュアルの一部改正があり、石けんでの2回洗いが主流になっています。濡れている手を拭う場合は、ペーパータオル等を使用し、共用タオルの使用は避けましょう。なお、アルコールを噴霧する場合は、手に付いた水分を十分に拭ってから使用しましょう。
いつ手を洗ったら良いのか、手洗いのタイミングも周知しておきましょう。また、手洗い後の手で顔に触れたりすると、せっかく手洗いしても黄色ブドウ球菌を付着させる原因になるので、こういったことも教えておく必要があります。この他に作業衣のままトイレを使用しないように、トイレの入室手順等も周知しておく必要があります。 - 4.まな板や布巾などの殺菌消毒方法
- 次亜塩素酸ナトリウム液(6%の場合300倍、600倍)の作り方、熱湯を使う場合などの手順を作成しておき、殺菌消毒前は、汚れを十分に落としておくことも周知しておきましょう。また、次亜塩素酸ナトリウム液や次亜塩素酸水を使って調理器具等を殺菌した場合は、水洗いを十分に行い、調理器具等に塩素が残留したまま使用しないよう周知しておきましょう。
◆食品衛生の5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)の周知
清掃や整理整頓などは当たり前のことですが実はこれが一番難しく人が少なく仕込みや調理に追われて十分に掃除ができないという職場も多い為、再度マニュアルの確認・5Sの周知をしておきましょう。
◆HACCP(ハサップ)による衛生管理
HACCPに沿った衛生管理については、令和3年6月1日から実施されており、食品事業者の方は、施設の規模等により「HACCPに基づく衛生管理」又は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を実践していることと存じます。具体的には、個々の事業者が使用する原材料、製造・調理の工程等に応じた衛生管理となるよう計画策定、記録保存を行ってゆくものです。
新入社員に対してHACCPとはどのようなものなのか、各種のマニュアル、記録方法等について周知しておく必要があります。また実際に、調理等で使用している食材や器具にはどのような微生物汚染等の危害がある可能性があり(危害分析)、これをどのように管理して調理し、調理後はどのように保管・管理したら危害発生を予防できるのか(重要管理点の特定)等を考えさせてみることも大切です。
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