今月の食品衛生重点チェック項目
対策 | チェックポイント |
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ゴキブリ対策の維持確認 |
秋になると真夏の暑さが和らぎ、ゴキブリにとって快適な環境となり、夏の間に隠れていたゴキブリの活動が増す。 餌となる食べ物や生ゴミを長時間放置しない。 防虫施工および発生状況、駆除記録の保存ができているかを確認する。 |
ノロウイルス対策の実施 |
ノロウイルスの流行期は、10月末頃から翌年の4月頃だが、最近では流行期が拡大(始まりが早く、終わりが遅い)傾向にある。ノロウイルスの流行時期に向け、下痢風邪等の自己申告をするように周知する。生ガキの生食を禁止する。 器具類の殺菌状態を確認する。手洗い方法とタイミングは、マニュアルに沿って行われているかを確認する。ノロウイルス対応アルコールの導入を検討する。 |
ハエおよび虫の侵入、混入対策の継続 |
ハエは20度から25度の気温が活動しやすいため、秋も引き続き注意が必要となる。捕虫器、防虫カーテンが設置できているか確認をする。ドアの解放放置を禁止する。 防虫網の破れがないかを点検する。納品時に異物の付着・混入がないかを目視で確認し、調理場・加工場への異物混入を防ぐ。傷み・汚れが多い食材は受け入れない。 |
食中毒への警戒の維持確認 |
暑さのピークは過ぎるが引き続き事故が起きやすいことを意識する。衛生レベルの維持と再確認を実施し、朝礼での注意喚起を行う。常温放置や不十分な加熱、不適切な保存方法になっていないか、保存温度方法が適切に行われているか確認する。 検食が-20℃で2週間保管されているかを確認する。 |
冷蔵庫、冷凍庫のメンテナンスの継続 | 引き続き冷蔵庫に負荷がかかり故障等が起こりやすいため、温度計が正しく作動しているか、保存温度・方法が適切に行われているかを確認する。冷気の流れをふさがないように、冷蔵庫の保管は容量の70%以下となっているかを確認する。 |
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少ない菌量で感染する食中毒菌などに注意しましょう
食中毒を起こす細菌は、腸管出血性大腸菌、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター、サルモネラ属菌、ウエルシュ菌、セレウス菌、腸炎ビブリオ、リステリア、ボツリヌスなどが知られていますが、10個から100個程度の少ない菌量で感染する腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ属菌などは要注意です。
2023年8月には、カンピロバクターで汚染された湧き水で流しそうめんを食べ、892名の食中毒が発生しています。この他に淡水中に常在する細菌のエロモナス菌やプレシオモナス菌などは、100~1000個の菌数でも発症することが知られており、汚染食品の喫食やアクアスポーツ時の海水や河川水の誤飲により感染することがあるそうです。
冬場の食中毒で多いノロウイルスは、取り込まれると腸管内で増殖するため、少ない量でも感染することが知られています。このためウイルスは持ち込まない、広げないことが大切で年間を通した対策が必要です。
腸炎ビブリオ、ウエルシュ菌、黄色ブドウ球菌などの食中毒菌は、少量の菌を摂取しても発症することはありません。これらの菌の予防対策は、温度管理(加熱・冷蔵)を徹底し、菌を増やさないことが有効です。
対策
≪手指の衛生≫
- トイレ後、調理前、生の食材(食肉、魚介類、卵等)に触れた後、食品に直接触れる作業前などはしっかり手を洗うなど手洗いのタイミングが重要です。衛生手袋の着用も徹底しましょう。
≪洗浄消毒の徹底≫
- まな板、包丁、布巾などは十分に洗浄消毒を行う。
- 果物や生食野菜は良く洗い、高齢者等に提供する際は、次亜塩素酸ナトリウム等による殺菌を徹底する。
≪調理器具等の使い分け≫
- 生の食品(肉、魚、生野菜など)に使うまな板等は、用途別に色分けや目印を付け、また調理済み食品とも区分して使用する。
≪十分な加熱≫
- 中心温度75℃1分間以上の加熱(ノロウイルス対策には85~90℃で90秒以上の加熱)を確認する。再加熱する場合も同様です。75℃1分間以上とは、中心温度が75℃に達してから1分以上の意味です。
≪温度管理の徹底≫
- 冷却する場合は、30分以内に中心温度を20℃付近(又は60分以内に中心温度を10℃付近)まで下げるよう工夫する。
- 低温保持(10℃以下、-18℃以下)、温蔵庫等で保温する際は65℃以上、冷凍品は、常温で解凍しない。
- 調理済み食品は、調理終了後2時間以内に食べるようにすることが大切です。
≪原材料の選定≫
- 仕入れ時の検品(賞味期限など表示事項、包装の破れ、カビ発生、温度管理状況:品温測定)等を徹底する。
≪ヒトのチェック≫
- 作業者手指の健康(手荒れ、化膿創、キズなど)。
- 清潔な作業衣やマスク、衛生手袋等の着用。
- 従事者の出勤時の健康チェックや検便の実施。
≪衛生的な水の使用≫
- 水道水以外の井戸水や湧き水などは殺菌して使う(残留塩素の確認:0.1㎎/L(ppm)以上)。
- 受水槽や高置水槽などは、定期的に清掃する。
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