今月の食品衛生重点チェック項目
対策 | チェックポイント |
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ノロウイルス対策の維持確認 |
ノロウイルスの流行期は、10月末頃から翌年の4月頃となる。下痢風邪等の自己申告をするように周知する。 手洗い方法とタイミングは、マニュアルに沿って行われているかを確認する。吐き気、下痢気味の方は食品を直接触らない部署に一時移動する。 |
年末年始製造管理の準備、整理整頓 | 年末の製造数、製造予定の確認と計画作成を行う。資材準備、受け入れ態勢の整備をする。製造量が増え始める前の整理整頓や大掃除を実施する。冷蔵庫、冷凍庫に不具合が無いか、温度設定等に問題が無いかを確認する。仕入れ原材料が増えるため、冷気の流れを塞がないよう冷蔵庫等の保管は容量の70%以下になっていることを確認する。 |
表示の確認 | 流通が増える年末年始を前に、期限表示、アレルゲン等の表示の確認をする。ラベルの貼り間違い、誤入力がないか(翌年を2年先に変更しているか)、印字機の不具合がないか、使用原材料変更がないかを確認する。 |
保健所年末一斉取締の対策 | 年末の保健所の立ち入り検査に向け、収去検査の準備をしておく。営業許可証、食品衛生責任者名が掲示されているかを確認する。HACCP関係書類のチェックを行う。衛生講習会の受講ができているかを確認する。 |
毛髪の異物混入対策 | 静電気が起こりやすい時期なので、粘着ローラー掛けの実施頻度を上げ、ヘアキャップ(毛髪防止ネット)の着用状況を確認する。着替える前に髪の毛をブラッシングして抜けそうな毛を落とすと良い。 |
※書面についてのお問い合わせ等ございましたら御社担当までご連絡ください。
異物の混入防止・「身近な異物」対策のポイント
物の混入は、毛髪、虫、合成樹脂、金属片などが過去の事例では多いようです。また身近で使用しているものでもうっかりすると異物の原因になることがあります。更に、空気が乾燥する季節は静電気が起こり易くなりますので、毛髪の混入防止のため粘着ローラー掛けの頻度を上げる、ヘアキャップ(毛髪防止ネット)の着用状況の徹底をするなど対応策、状況を確認しておきましょう。今回は虫以外で考えられるものを想定しました。
◆毛髪
人の頭髪は1日当たり数十本抜けるといわれます。このほかに、脇毛、眉毛やまつ毛などもあり、様々な対策がとられていますが、原材料に混入していることもあり、完璧な防止方法はありません。実際にはお客様自身のものが疑われるケースも多いようです。
- ネット帽の着用:ネットから毛髪が出ないように被る必要があります。
- 粘着ローラー掛け:入り口に粘着ローラーを設置し、中に入る際にローラー掛けを行う。
- 脇毛などの対策としては、アームバンドをする方法や手首、足首を絞って毛が落ちないようにする方法などが行われています。
- 製造室や厨房の入り口に「エアーシャワー」を設置する方法
- 厨房以外の接客する人の対策も重要です。
- 盛付けや包装作業は、明るい場所(500ルックス以上)で行いましょう。
◆調理器具破片など
意外に多いのが金属タワシ片の混入です。このほか傷んだザルを使用したため、切れた針金や破片が混入、同様に傷んだゴムベラの破片混入などの事例があります。
- 古くなったザル、ゴムベラ、洗浄用スポンジは新しくしましょう。洗浄用スポンジも使い込むと切れ易くなり、破片が混入した事例があります。また製造業ではパッキンゴム片の混入もありますから、清掃時等にチェックしましょう。
- 金属タワシは切れ易く、磨いた金属鍋の底に落ちている場合は意外に気づきにくいため、使用禁止にしているところが多くあります。
- 食材の入ったポリ袋などをハサミなどでカットした際は、切れ端が食材に混入する可能性があります。切れ端はその場に放置せず、確実に廃棄する対応をしましょう。
◆金属片
チョッパーや洗米器などに使用されているネジの混入などは、異物で口内を切ったり、歯を折って数十万円の請求をされたりなどの例があり、金属片の混入は危険を伴う場合があります。
- チョッパー、洗米器などの調理製造機器は使用後分解、洗浄が行われますが、ネジの紛失がないか点検しましょう。
- フードプロセッサー、スライサーなどは、刃こぼれがないかも点検しましょう。原材料に混入している場合もあり、金属探知機の設置も効果があります。
- 学校給食では、缶詰を開ける際に生じた缶蓋の切り屑が混入した事例があります。
◆身近で使用している文具など
- ホチキスの針:ホチキスは製造後や販売時に食品を包装する際、蓋を止めるのに使われることもあるようです。しかし、ホチキス針がおにぎりに混入していた事例の報告も実際にあり、気づかずに食べた場合、危険を伴う場合があります。食品を取扱う施設での使用は控えた方が良いでしょう。
- セロハンテープ:セロハンテープもホチキス同様、食品を包装する際や蓋を止めるのに使われることが多いようです。特に透明なものは切れ端が入っても気づきにくく、苦情の原因になることがあります。色付きのものを使用するなどの対策をすると良いでしょう。
- 輪ゴム:輪ゴムも同様に食品の包装する際に使用されることが多い用品です。購入してきたものに使用されていることもあります。輪ゴムは伸び縮みするため、はずす際に飛んでしまい、どこに行ったかわからなくなることがあります。また使用されていたものを蛇口に掛けて水が付着し、不衛生になる場合もあります。食品を扱う施設では、使用を控えたほうが良いでしょう。
- 画びょうや磁石:伝票や指示書を調理場等で貼ってあるのをよく目にしますが、止める際に画びょうやボタン型磁石を使用していませんか。画びょうやボタン型磁石などは落ちやすく危険なので使用は控えるべきです。
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