今月の食品衛生重点チェック項目
対策 | チェックポイント |
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ノロウイルス対策 | ノロウイルスの感染者が急増する時期となるため、従業員の健康状態(下痢風邪等がないか)と、器具類の殺菌ができているかを確認する。吐き気、下痢気味の方は食品を直接触らない部署に一時移動する。 |
衛生的な環境の構築 | 年末年始を終えて環境を再確認する時期となるため、加工場・調理場の清掃、グリストラップの定期的な清掃、備品は破損していないか、白衣・ユニフォーム・帽子・靴に汚れが無いかを確認する。靴には食品残渣、カビ、雑菌等が多く付着しているため、定期的に洗浄を行っているかを確認する。 |
新商品の検査、表示事項の確認 | 新商品や切り替えの時期となるため、自主検査(賞味期限検査、栄養成分表示)の実施、アレルゲンなど表示事項の再確認をする。 |
手洗いの徹底 | ノロウイルスの流行時期であるため、手洗いを徹底する。手指の傷や手荒れがないかを確認する。ノロウイルスの感染予防の他にも微生物による二次汚染を防ぐこともできる。 |
年度替わりの検査報告書・許可証の期限確認 | 年度が替わる時期に向けて、自主検査の提出が必要かを確認する。営業許可を受けている施設は許可証の期限を確認する。 |
※書面についてのお問い合わせ等ございましたら御社担当までご連絡ください。
次亜塩素酸ナトリウム液とアルコール(エタノール)系消毒剤
洗浄消毒の基本は、しっかり洗浄して汚れを落とした後に、消毒剤で微生物を殺すことが基本となっており、従来から器具類や生食用野菜の消毒には、次亜塩素酸ナトリウム液が多く使用されています。また、新型コロナウイルスの流行により、手指等の消毒に消毒用アルコールが多く使用されてきていますので、今回は次亜塩素酸ナトリウム液とアルコール(エタノール)系消毒剤の使用時の注意点について調べてみました。
◆次亜塩素酸ナトリウム液
次亜塩素酸ナトリウム液は、飲食店等で調理器具や生野菜などの殺菌に使用している施設が多いと思います。特に厚生労働省は、高齢者等に食事を提供する施設は腸管出血性大腸菌O157食中毒予防のため野菜を加熱せずに供する場合、次亜塩素酸ナトリウム等による殺菌を徹底するよう通知を出しています。
次亜塩素酸ナトリウム液は、6%のものが販売されていることが多く、食品に使用する際は「食品添加物」と表示されたものを購入するようにしてください。
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生食用野菜の殺菌(濃度、時間は大量調理施設衛生管理マニュアルによる)
⇒生野菜は流水で3回以上水を替えながら洗浄し、必要に応じて600倍希釈の次亜塩素酸ナトリウム液等で10分間(300倍は5分)浸漬殺菌後、水で塩素液を十分に洗い流して下さい。 -
調理器具類⇒まな板やザル等は使用後40℃位の微温水で下洗いし、中性洗剤で良く洗って下さい。
洗浄後300~600倍希釈の次亜塩素酸ナトリウム液を塗布又は浸漬して5分~10分間程度放置した後、水で洗い流し乾燥保管して下さい(製品の表示に従って下さい)。 -
冷蔵庫の取っ手や水道栓等⇒人の手が触れる冷蔵庫取っ手、水道栓などは汚れが付着し易い場所で、二次汚染の原因になり易い場所です。作業前、作業の合間、作業終了後等に、300倍に希釈した塩素液に浸した布巾で拭う等の対応をしておきましょう。
《次亜塩素酸ナトリウム液の作り方(原液6%の場合)》
500倍(120ppm)→水10Lに20mL
600倍(100ppm)→水10Lに16.5mL
300倍(200ppm)→水10Lに33mL
《注意》・皮膚に対して刺激作用があるので、ビニール手袋などを使用してください。 - 塩素ガスが発生することがありますので、使用時は十分に換気をしてください。
- 飲食店で、次亜塩素酸ナトリウム入りの水を提供した食中毒が起きていますので、ピッチャーなどを殺菌する際は、消毒中などの表示をしておくことも大切です。
◆アルコール(エタノール)系消毒剤
通常の消毒用アルコールは70%以上のものを使用しますが、70%以下の物もありますので確認してから購入するようにしてください。なお、エタノール系消毒剤は新型コロナウイルスには効果があっても、ノロウイルスにはあまり効果がありませんが、ノロウイルスに対する不活化効果を期待できる製品も販売されていますので、購入の際は使用目的や製品の指示を確認してください。
《使用上の注意》
- 食品にも使用する際は、食品添加物の表示のあるものを使用してください。
- 調理器具や手指などの殺菌に使用する場合は、洗浄後は水分を拭っておく必要があります。水分が残ったまま使用すると、アルコールの濃度が薄くなり十分な殺菌効果が得られない場合があります。
- 市販されているアルコール系消毒剤は、消防法の危険物(アルコール【エタノール】が60重量%以上)に該当するものが多いので、火の近くで使用する際は注意が必要です。アルコールに引火すると、炎の色が青っぽく気付かない場合があり要注意です。
- 同じアルコール類でもメタノールは、キャンプ用品として販売されている木炭用の着火剤などに使用されていますが、取扱い時の吸入、故意の摂取、誤飲や多量の皮膚接触で中毒を起こし、毒性が強いため使用しないでください。
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