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今月の食品衛生重点チェック項目

対策 チェックポイント
ゴキブリ対策 ゴキブリの発生時期に備えて対策を実施する。防虫施工および発生状況、駆除記録の保存ができているかを確認する。
ハエおよび虫の侵入、混入対策 気温が上がり、害虫が発生し活発的に動く時期となるため、捕虫器、防虫カーテンが設置できているか確認をする。
ドアの解放放置を禁止する。防虫網の破れがないかを点検する。納品時に異物の付着・混入がないかを目視で確認し、調理場・加工場への異物混入を防ぐ。傷み・汚れが多い食材は受け入れない。
手洗い、衛生管理の基礎の徹底 新人社員・転属の従業員の教育と実施状況を確認する。
手洗い方法、手洗いのタイミング、各種マニュアルの教育を行う。
気温上昇に伴う食中毒への警戒 発生件数が増加する時期となるため、ポスターや朝礼で注意喚起を実施する。冷蔵庫、冷凍庫等の温度設定を確認する。適切な温度で食材や調理済み食品を保管する。原材料受け入れ時はすぐに冷蔵庫もしくは冷凍庫で保存する。検食が-20℃で2週間保管されているか確認する。
衛生管理の再強化 連休の前に清掃、洗浄、殺菌状況の確認を徹底し、連休中にカビや細菌が器具類で増殖しないようにする。

※書面についてのお問い合わせ等ございましたら御社担当までご連絡ください。

ウエルシュ菌食中毒について

ウエルシュ菌は集団給食施設や仕出し屋などで、比較的大量に加熱調理される食品を原因とすることが多い食中毒菌で、大量調理のため大規模な食中毒を起こすことがよくあります。2023年(全国)のウエルシュ菌による食中毒は28件(患者数1097名)で、細菌性食中毒発生件数の第2位(患者数でも第2位)で、1事件当たりの患者数は約39名と他の食中毒菌やノロウイルスに比較して多くなっています。
老人ホームや病院等の給食施設での発生件数は12件(約43%)、患者数735名(67%)でした。ウエルシュ菌食中毒は季節に関係なく発生しますので、年間を通して対策が必要です。今回は細菌性食中毒の内、1事件当たりの患者数が多いウエルシュ菌についてお知らせします。

◆「ウエルシュ菌」とは

ウエルシュ菌は人や動物の腸管、土壌、水中など自然界に広く分布し、酸素を嫌う嫌気性菌です。特に食肉や魚介類での汚染率が高く、これらの食材を使った料理が原因食品になることがしばしば報告されています。また、熱に強い芽胞を作るため100℃1時間加熱でも死にません。カレーやシチューなどの食品を大きな鍋などで大量に加熱調理すると、ほかの細菌が死滅してもウエルシュ菌(芽胞)は生き残ります。
2023年の食中毒統計のように、一度に大量の食事を調理する給食施設などでの発生が多く、患者数の多い食中毒事件を起こします。また菌の増殖が速く、至適温度(43~46℃)に保管すると、2倍に増殖するまでに10分程度と、増殖が早いことで知られる腸炎ビブリオ菌に匹敵し、増殖したものを食べると食中毒を起こします。症状は水様性下痢、腹痛で、6時間~18時間(平均12時間位)で発症しますが、入院することは少ないようです。「前日に大量に作られたカレーやシチューなどを室温に近い状態で保存し、翌日に再び加熱して、営業時間中にこれを繰り返す」という行為は、ウエルシュ菌の増殖を促す危険な行為です。

◆対策

ウエルシュ菌による食中毒予防は、食中毒予防三原則(「つけない」、「増やさない」、「やっつける」)の内、「増やさない」を心がけた対策が基本となります。これは、ウエルシュ菌が食品中で増殖するのを防ぐことを意味します。

  • カレーやシチューなどの前日調理はなるべく避け、加熱調理したものは早く食べましょう。
  • 一度に大量の食品を加熱調理したときは、本菌の発育し易い温度(20~50℃)に長く置かない(30分以内)ことが大切です。
  • 良くかき混ぜて加熱ムラを防ぎ、芽胞になる前のウエルシュ菌をやっつけましょう。また、空気を混ぜ込むことで、酸素が嫌いなウエルシュ菌の増殖防止が期待できます。
  • 保管するときは、小分けするなど早く冷却しましょう(1時間以内に芯温10℃以下を目安)。
  • 加温保管するときは、65℃以上を保ちましょう。
  • 再加熱するときは、中心まで十分に加熱しましょう(中心温度75℃1分以上)。

◆事例

「東京都保健医療局」のホームページで紹介されている事例です。ぜひ予防対策の参考にしてください。

  • テイクアウトの弁当を食べた人、約70名が食後4時間から12時間の間で下痢、腹痛などの食中毒症状を発症した。
  • 保健所の調査によれば、弁当の食品は、鶏肉の煮物、玉子焼き、サラダ、ごはんなどで、飲食店が調理し、店頭で予約客に渡されていた。
  • 検査の結果、複数のおかず、患者、そして調理従事者のふん便から「ウエルシュ菌」が検出された。
  • 食中毒菌を検出した鶏肉の煮物は、提供2日前に調理し、常温で2時間以上かけて冷やした後、冷蔵庫で冷やされた。
  • 提供当日は常温に6時間以上置かれ、再加熱することもなく盛り付けられた。
  • 調理器具の洗浄・消毒の不備や、調理品の保管状況の不備も、食中毒菌の付着、増殖の機会を与えたものと考えられた。

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